人事・労務Q&A

年次有給休暇取得率向上のポイント

Question

社員が働きやすい環境を整えるため、年次有給休暇の取得率を高めたいと考えています。取得率向上のためのポイントを教えてください。

Answer

年次有給休暇(以下、有給休暇)は、社員が心身のリフレッシュを目的として、希望するタイミングで取得できる休暇です。有給休暇の取得率向上はワークライフバランスの実現につながり、社員のエンゲージメントやリテンションを高めることに加え、企業イメージや採用競争力の向上にも寄与します。取得しやすい組織風土づくりや柔軟な有給休暇制度の導入等、社員がためらいなく取得できる社内体制の整備が求められます。

<有給休暇取得向上のポイント>

1.有給休暇を取りやすい風土づくり

有給休暇取得の促進には、取得しやすい風土・雰囲気づくりが重要です。対応としては、有給休暇の取得に向けた継続的な社内啓発が挙げられます。自社の働き方や有給休暇に関する方針を経営メッセージとして示すとともに、全社・部門による有給取得奨励日の設定や、管理職が率先して有給休暇を取得することが効果的です。

2.有給休暇の取得目標の設定と管理

会社や部署単位で有給休暇の取得目標を設定し、その達成状況を定期的に確認することで、取得を組織全体の取り組みとして位置づけることも有効です。あわせて、勤怠管理システム等で有給休暇の取得状況をリアルタイムに把握し、管理職が取得の少ない社員へフォローを行うことも効果的です。

3. 時間単位での有給休暇の付与

有給休暇は原則1日単位での取得ですが、労使協定の締結により、年5日範囲内で時間単位での有給休暇を取得することが可能です(労働基準法第39条4項)。時間単位で取得できる有給休暇を導入することで、通院や子どもの学校行事への参加、家族の介護等、社員の様々な事情に応じた柔軟な有給休暇の取得が可能になります。

4. 計画的付与制度の活用

計画的付与制度は、労使協定を締結したうえで、会社があらかじめ取得日を決めて社員に取得させることができる制度です(労働基準法第39条第6項)。有給休暇のうち5日は社員が自由に取得できる日数として残す必要があるため、対象は有給休暇の総数のうち5日分を除いた残りの日数に限られています。付与の方式は自社の業態や実態に応じて設計するもので、代表的なものとして3つの方式があります。

    ①    一斉付与方式:会社全体を一斉に休みとする方式。操業を止めて全員を休ませられる製造部門等に適しています。
    ②     交替制付与方式:班・グループごとに交替で付与する方式。定休日を増やしにくい流通・サービス業等で多く用いられます。
    ③     個人別付与方式:社員ごとに取得日を割り振る方式。個人の予定等に柔軟に対応できます。

<まとめ>

休みやすい環境づくりは、社員のリテンションや企業イメージ、採用競争力の向上につながります。有給休暇の取得率向上には、まずは自社の課題を特定した上で対応方針を検討することが重要です。

 

参照:2026.08.13

厚生労働省 時間単位の年次有給休暇制度とは
時間単位の年次有給休暇制度とは | 働き方・休み方改善ポータルサイト

厚生労働省 年次有給休暇の計画的付与制度
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