人事・労務Q&A

社内公募制度導入時のポイント

Question

社員のキャリア自律の促進のため、社内公募制度の導入を検討しています。その際に検討すべきポイントや留意点について教えてください。

Answer

近年、社員のキャリア自律を支援する取り組みとして、社員が自ら希望する部署に応募できる「社内公募制度」が注目されています。社員のモチベーション向上やスキルアップを促進する仕組みではあるものの、導入にあたっては、運用ルールの明確化、社内の周知徹底、および応募者への配慮・フォローに留意する必要があります。

<社内公募制度とは>

社内公募制度は、企業先導で配属が決まる従来の人事異動とは異なり、社員が主体的に手を挙げ、人材募集する部署へ応募する制度です。個人のキャリア自律を促進するための制度として、導入企業が増加傾向にあります。

運用方法は企業によって異なるものの、募集要項の開示後、書類選考や面接を経て、応募者に結果を通知するのが一般的です。

 社内公募制度を導入することで、社員のモチベーション向上やスキルアップに繋がります。一方で、人事部の調整負担の増加や、全体最適化の難しさといったデメリットもあります。

メリット

デメリット

企業側

・社内の人材を最大限に活用し、採用コストを削減できる。
・人材の流出を防ぎ、社員の定着率を向上させることができる。

・人事部の負担が増加し、調整業務が煩雑化する。
・特定社員の部分最適化に留まる可能性があり、社内の全体最適化が困難。

労働者側

・自分の意思でキャリアを選択できるため、自律意識が向上し、やりがいを感じやすい。
・新たなスキルや経験を積む機会が得られる。
・キャリアチェンジがしやすくなり、長期的な成長につながる。

・応募が不合格の場合、モチベーションが低下する可能性がある。
・異動後の期待に応えられない場合、ストレスが増加する可能性がある。

<社内公募制度導入の留意点>
社内公募制度を通じた社員のキャリア形成支援や円滑な運用には、運用ルールの明確化と社内の周知徹底、応募者への配慮・フォローが必要です。

 ①運用ルールの明確化
社内公募を通じた目的達成のため、必要なスキルや応募条件等、ルールを明確に設定することが重要です。

②社内での周知徹底
社員への制度の理解・活用促進のため、全社説明会の実施等、全社通知を行うと良いでしょう。

③応募者のプライバシー厳守
トラブル抑制のため、応募者のプライバシー厳守の徹底が必要です。エントリーが上司や部署等に知られると、所属部署での人間関係が悪化する恐れがあるため、取り扱いに注意しましょう。

④応募者へのフォローアップ
結果通知後には、合格者・不合格者双方に対して、期待とのギャップや不合格による意欲低下を防ぐためのフォローアップを行うことをお勧めします。

例)合格者:異動後の状況確認、不合格者:応募結果の経緯説明や研修機会の提供等、成長支援の実施

<まとめ>
社内公募制度を企業と社員双方にとって有益な仕組みとするためには、制度のメリット・デメリットを把握した上で、運用ルールの明確化、社内での周知徹底、および応募者への配慮・フォローに留意することが重要です。

 

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※本記事の内容は、掲載日時点での法令・世間動向に則ったものであり、以後の法改正等によって最新の情報と合致しなくなる可能性がある旨ご了承ください。