Question
当社では人材確保・定着に課題意識があり、多様な人材が働きやすい職場の整備として選択的週休3日制の導入を検討しています。導入にあたり、具体的にどのような検討が必要でしょうか。
Answer
選択的週休3日制の導入にあたっては、制度のタイプや対象者の範囲、休日や労働時間の設定など、企業の目的や社員のニーズに合った内容を検討する必要があります。また、副業・兼業ルール、年次有給休暇への影響など、関連制度との整合性を考慮することも重要です。
<選択的週休3日制とは>
選択的週休3日制とは、社員が本人の希望によって週休3日の働き方を選択できる制度です。選択的週休3日制には以下のように大きく3つのタイプに分類されます。
(1)休日とする日の分の勤務時間を出勤日に割り振り、週あたり・月あたりの労働時間を維持し、給与を維持する
主な留意点:変形労働時間制またはフレックスタイム制(コアタイムなし)の導入が必要。
(2)休日を増やす分、給与も削減する
主な留意点:賃金減額を伴うため、会社が一方的にすべての従業員を対象とすることができない。また、1人あたりの所定労働時間が減少するため、現在の業務量をこなすことができない恐れがある。
(3)休日を増やすが、給与は維持する
主な留意点:基本的に労働時間重視の働き方・評価制度の会社ではなく、裁量労働制や完全成果主義の会社に適しており、時間単価の大幅な上昇が想定されるため、見合う成果が上がらない場合は、人件費増大化の恐れがある。また、1人あたりの所定労働時間が減少するため、現在の業務量をこなすことができない恐れがある。
<制度内容の検討>
選択的週休3日制の制度内容の検討にあたっては以下8つのポイントを検討する必要があります。
① 制度のタイプ
上記3つのタイプから、企業の目的や社員のニーズに合ったものを選択。複数タイプを併用することも可能。
② 対象事由
制度を全社員に適用するか、育児・介護・治療・自己啓発など特定の事由に限定するかの検討。
③ 対象者の範囲
部門や職種、年次などで対象者を限定するか、全社員を対象とするかの検討。
④ 休日とする日、1日あたりの労働時間
休日や1日あたりの労働時間を一律で設定するか、社員が選択可能とするか(変形労働時間制にするか、フレックスタイム制にするか)の検討。
⑤ 制度タイプ(3)の場合の役割・処遇
短時間勤務制との整合性を考慮した検討。
⑥ 制度の適用期間
変形労働時間制の対象期間、フレックスタイム制の精算期間なども踏まえて適用期間の検討。
⑦ 申請・承認ルール
申請時期、申請方法、承認者、制度適用の取消に係る要件の検討。
⑧ その他
関連する制度(副業・兼業ルール、年次有給休暇の付与日数等)への影響の確認。
制度内容だけではなく、不在となるメンバーがいる場合でもチームとして円滑に業務を遂行するための体制構築や業務分担の見直し、業務運営上の工夫など、制度運用についても検討が必要です。また、制度の目的や利用方法を社員に十分に説明し、利用しやすい環境を整えることも重要です。
<まとめ>
選択的週休3日制は、社員のワークライフバランスを向上させ、企業の魅力を高める有効な手段の1つです。導入にあたっては、制度の目的や運用方法を明確にし、企業の実情や社員のニーズに合った設計を行うことが求められます。また、業務体制の見直しや社員への周知を徹底することで、制度の効果を最大化することも重要です。
<参考>(2026.1.11閲覧)
「働き方・休み方改革取組事例集」(厚生労働省)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category1/0101017.pdfPDF
-------------------------------------------------------------------------
※本記事の内容は、掲載日時点での法令・世間動向に則ったものであり、以後の法改正等によって最新の情報と合致しなくなる可能性がある旨ご了承ください。